呼吸器とは呼吸 (吸気と呼気) を通して空気と血液との間のガス交換に関わる臓器のことをいい、鼻腔、咽頭・喉頭、気管・気管支、肺という一連の器官を呼吸器官と呼びます。呼吸の異常や肺の病気、気管支の病気などが呼吸器系の病気として扱われます。
呼吸器科で取り扱う病気は幅広く、気管支喘息、気管支炎、肺炎、COPD、肺結核、肺がん、間質性肺炎など、多岐にわたります。さらに、肺自体には異常を認めない睡眠時無呼吸症候群や、禁煙のためのサポート (禁煙外来) なども行っています。
呼吸器科では主に次のような疾患を診療しています。
感冒
急性咽頭炎・扁桃炎
急性気管支炎
肺炎
花粉症
アレルギー性鼻炎
気管支喘息
咳喘息
睡眠時無呼吸症候群
慢性閉塞性肺疾患 (COPD)
肺気腫
気胸
肺がん
睡眠の中断、低酸素状態によるストレスで、高血圧症、心血管疾患、糖尿病などを引き起こしやすいといわれています。
まず、自宅で睡眠中の呼吸状態を簡易モニターで記録していただきます。無呼吸低呼吸指数 (AHI) の程度が強い場合にはCPAP療法 (鼻マスク) が適応かどうかの判定のため、一泊入院検査を紹介しています。
ニコチン依存症である喫煙は、1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上であれば、保険治療の対象となります。とくに呼吸器疾患、循環器疾患、種々のがん予防のためにも、自分自身と家族への大きなプレゼントである禁煙にチャレンジしてみましょう。
チャンピックスでの内服治療の場合、最初の1週間は喫煙しながらの内服で開始します。標準は12週間のコースですが、途中で成功終了のかたもあります。まれに副作用での問題があり、業務で車の運転が必要な方は、貼り薬のニコチネルTTSで対応させていただきます。
肺機能は年令とともに低下しますが、喫煙をしているとおよそ倍のスピードで低下します。喫煙で生じた慢性閉塞性肺疾患 (COPD) は、進行すると酸素吸入が必要となってきます。
わが国の在宅酸素療法患者数は約15万人といわれ、その半数がCOPDの方です。予防には禁煙が第一ですが、早期発見のためには肺機能検査 (スパイロメトリー) が有用です。最近では、測定値から、肺年齢という指標も用いられています。
気道の慢性炎症が原因なので、炎症を治すためのステロイド吸入薬の使用が標準となっています。最近ではステロイド剤と持続型気管支拡張剤が入った吸入薬の使用が普及しています。
少なくなったとはいうものの、いまだに重症発作で年間2,000人もの方が亡くなっておられますので、発作が起こらないよう、平素の吸入療法によるコントロールが大事です。
スギ花粉症の20%の方はハンノキにも感作されていて、その半数位の方に口腔アレルギー症候群が起こっています。口腔アレルギー症候群とは、特定の果物や野菜を食べて、唇、口、のどなどにイガイガ感、腫れ、かゆみなどの症状が出るものです。
反応が強くならないよう、早めにご来院ください。