消化器とは食べ物の消化・吸収に関わる臓器のことをいい、代表的なものとして食道や胃、腸、すい臓、肝臓などの消化器官があります。消化器の病気は、普段の食生活や喫煙・飲酒などの生活習慣、ストレスなどに起因することが多く、例として、食物繊維が少ない食習慣の普及による便秘症や、自律神経の調節障害による過敏性腸症候群 (腹痛や便秘と下痢を繰り返す等の症状) が増加しています。
当院では、日本消化器病学会の消化器病専門医が詳しい問診や診察、腹部エコーなどを行い、正確な診断をするよう心がけています。必要に応じて内視鏡検査のできる病院へ紹介をしています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
消化器科では主に次のような疾患を診療しています。
逆流性食道炎
急性胃炎
慢性胃炎
胃・十二指腸潰瘍
ヘリコバクター・ピロリ感染症
便秘症
機能性胃腸症
過敏性腸症候群
急性胃腸炎
胆石
胆嚢ポリープ
胆嚢炎
胆管炎
閉塞性黄疸
急性膵炎
慢性膵炎
胆嚢がん
胆管がん
膵臓がん
便秘とは、便を十分かつ快適に排出できない状態をいいます。症状によって①排便の回数や量が十分あるが、すっきりとした排便ができないタイプと、②排便の回数や量が少ないため、便が腸の中にたまるタイプの大きく2つに分かれます。便秘の原因には、食事の量や食物繊維が少ない (ダイエットも含め)、運動不足、精神的なストレスなどが知られています。
また何らかの病気の治療薬で引き起こされることもありますし、大腸がんなどの腸の病気が原因になることもあります。便秘を放置することで、さらなる悪化や長い間かくれている他の病気に気がつけないことがあります。最近では治療薬の種類が増えて、便秘の治療が変わりつつあります。お気軽にご相談ください。
ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌です。感染経路ははっきりとわかっていませんが、口を介した感染 (経口感染) が大部分だろうと考えられています。ピロリ菌感染率は、上下水道が十分普及していなかった時代に生まれた団塊の世代以前の人には高いのですが、若い世代の感染率は低くなっており、10代・20代では約10%と言われています。
ピロリ菌の感染による胃の炎症が長い期間続くと、胃粘膜の胃酸を分泌する組織が消失した状態 (萎縮性胃炎=慢性胃炎) になります。さらに胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんといった病気を発症するリスクが高まることがわかっています。ピロリ菌を除菌することで、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を抑えたり、胃がんの発生を抑えることがわかっています。
除菌療法:胃酸の分泌を抑える胃薬と2種類の抗生物質を1週間飲んでいただきます。約2か月後に除菌が成功しているか判定します。約9割の方が1回目の除菌療法で成功します。除菌に失敗した場合は、お薬の種類を変更して再度除菌療法を行うことができます (2次除菌)。
※ 但し、除菌成功後も胃がんになるリスクがゼロにはならないため定期的な胃カメラ等の検査は必要です。